四国新幹線の停車駅を考える

四国新幹線とは

全国新幹線鉄道整備法国土交通省の告示によって決定された新幹線計画で、大阪を始点、大分を終点とし、徳島市附近、高松市附近、松山市附近を通るとされたもの。

また、岡山市を始点とし、高知市を終点とする四国横断新幹線も記されている。

四国新幹線期成同盟会では、これらの2案を組み合わせた下図のようなルート想定を行っている

四国新幹線期成同盟会 https://www.shikoku-shinkansen.jp より

四国の主要駅の現状

各駅の所在地と2023年乗車人員(乗降人員でないため注意)を記した。

  1. 高松駅(香川県高松市) - 11637人/日
  2. 徳島駅(徳島県徳島市) - 6502人/日
  3. 松山駅(愛媛県松山市) - 5800人/日
  4. 坂出駅(香川県坂出市) - 4801人/日
  5. 高知駅(高知県高知市) - 4547人/日
  6. 丸亀駅(香川県丸亀市) - 3707人/日
  7. 宇多津駅(香川県宇多津町) - 2244人/日
  8. 今治駅(愛媛県今治市) - 2089人/日
  9. 新居浜駅(愛媛県今治市) - 1953人/日
  10. 多度津駅(香川県多度津町) - 1916人/日
  11. 後免駅(高知県南国市) - 1864人/日
  12. 伊予西条駅(愛媛県西条市) - 1449人/日
  13. 観音寺駅(香川県観音寺市) - 1410人/日
  14. 勝瑞駅(徳島県藍住町) - 1206人/日
  15. 端岡駅(香川県高松市) - 1204人/日
  16. 善通寺駅(香川県善通寺市) - 1175人/日
  17. 阿南駅(徳島県阿南市) - 1166人/日
  18. 琴平駅(香川県琴平町) - 967人/日
  19. 栗林駅(香川県高松市)  - 932人/日
  20. 朝倉駅(高知県高知市) - 885人/日

停車駅を考える

四国各県庁所在地は駅設置がされるものとして、それ以外を考えてみよう。

期成同盟会の図と新幹線の平均駅間距離が30Km程度であることを考えると、

岡山駅児島駅宇多津駅までとそこから分岐し、

観音寺駅附近・伊予三島駅附近・新居浜駅附近・伊予西条駅附近・松山駅

高松駅三本松駅附近・徳島駅

琴平駅附近・大歩危駅附近・高知駅

が妥当だと考える。

 

各途中駅はそれぞれ、

宇多津駅宇多津駅丸亀駅坂出駅多度津駅の代替と3路線の分岐点

観音寺駅附近→観音寺市へのアクセス

伊予三島駅附近→四国中央市へのアクセス

新居浜駅附近→新居浜市氏へのアクセス

伊予西条駅附近→西条市今治市へのアクセス

三本松駅附近→東かがわ市へのアクセス

琴平駅附近→琴平市・善通寺市へのアクセス、金比羅山への観光客誘致

大歩危駅附近→大歩危峡、祖谷地域への観光客誘致

としてそれぞれ設定した

整備効果

経済効果の計算は個人で難しいため、考えられる範囲での効果を書いていく

JR四国の赤字改善

 並行在来線の廃止により路線の維持整備コストの削減と実質的な値上げを行うことができるため、赤字の改善が期待できる。

四国への企業立地の増加

 本州からの心理的距離が少なくなれば、工場建設などが増える可能性がある。

観光客数の増加

 観光地へのアクセス向上、四国への心理的距離の削減などにより観光客数の拡大が期待できる。

課題

現状の整備新幹線の整備スキームでは、新幹線が通過する自治体が整備費の一部負担を行わければならない。しかし、すでに山陽新幹線を持つ岡山県が建設費負担に応じる可能性は少なく、建設スキームの改定が望まれる。

また、並行在来線の問題もある。現在、地方の在来線の主な利用者は学生(特に高校生)となっているため、並行在来線を廃止してしまうと、若年人口がかえって減少してしまう可能性がある。かといって、新幹線建設後も在来線を存続させると、現状よりも悲惨な営業状態になってしまう。

さらに、東海道新幹線の路線容量の関係で始発駅が新大阪駅となってしまう可能性が高く、東京からへのアクセスは空路が優勢のままで大勢に変わりはないだろう。

このように整備開始にはまだ壁が残っている。

 

これらの課題を解決し、整備が開始されることに期待したい。

参考資料

運輸省告示昭和48年11月15日第466号 全国新幹線鉄道整備法第四項第一条の規定による建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める計画路線

https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/1973/62035a03/62035a03.html

JR四国 2023年度乗車人員

https://www.jr-shikoku.co.jp/04_company/disclose/pdf/passengers/2023.pdf

成田空港の今後の立ち位置を考える

今後、滑走路の増設やターミナルの集約などを行うことが決まっている成田空港の将来の使い道を考える。

成田空港の現状の立ち位置

首都圏には主に羽田空港、成田空港の2つの民間空港がある。

羽田空港は、東京駅から30分ほどで行ける立地にありJRの乗り入れが始まれば更に短縮されるだろう。今後リニア中央新幹線が乗り入れる品川駅には更に近い。また、国内大手航空会社は羽田空港をハブとしており、国内線の多くは羽田発着となっている。また、海上にあるため、着陸ルートは限定されるが24時間離発着可能である。

対する成田空港は、特急を使っても東京駅から1時間弱と都心から遠い。また、国内線も開港の経緯などから国際線からの乗り継ぎ用に数本設定されているだけで、残りはLCCのみと見劣りする。内陸にあり、建設時に反対運動があったことから門限が決まっており、指定時間以外は離着陸できない。

成田空港は首都圏の航空需要の増大により羽田空港では需要をまかないきれないと判断され、国際線専用空港として建設され、首都圏の国際線はすべて成田空港に移管し、羽田空港は国内線、成田空港は国際線という棲み分けが長い間続いた。

しかし、2010年より羽田空港が国際線を受け入れるようになった今、成田空港の立ち位置が微妙なものになってきている。

例えば、アメリカの大手航空会社デルタ航空は、2020年までに東京への路線を成田空港から羽田空港へすべて移管し成田空港への定期就航路線がなくなった。

まとめると成田空港は羽田空港に比べて都心から遠く、国内線が少なく到着しても国内に行きづらい、時間制限のある空港ということになる。

羽田空港の欠点

しかし、そんな羽田空港も万能ではなく、 騒音と発着枠の問題がある。

都心に近いということは都心の騒音の原因となる。また、国内線が多数発着していることにより滑走路やゲートの容量が足りず、発着できる機数が限られており、航空会社間での取り合いとなっている。

世界の主要空港と比べる

成田空港のライバルになるのは韓国ソウルの仁川空港、中国北京の首都空港、大興空港、香港の香港国際空港シンガポールチャンギ国際空港といったところだろうか。

これらの空港は各国の航空会社のハブ空港として多くの都市へ直行便が出ており、乗り継ぎに多用されている。

また、近年利用者が増加した中東諸国の空港は、航空会社がヨーロッパとアジアの諸都市に豊富な資金力を活かして直行便を飛ばし、乗り継ぎのために空港を利用してもらう形態のハブ空港になっている。

成田空港の将来の立ち位置

このようなことから私は、成田空港はアジアと北米間の乗り継ぎ用ハブ空港を目指していくべきだと考える。

立地としてその他アジアの主要空港より北米に近く、東京からの需要も一部拾えるため航空会社にとってもメリットのある形態だろう。

乗り継ぎがメインの空港であれば、都心から遠いといったデメリットも目立たなくなり、利用者の増加を望めるだろう。

これには制限エリア内の店舗や乗り継ぎ用の施設の充実、就航都市数の増加を図る必要があると考えられる。

成田空港は最近、乗り継ぎの利便性向上を図るためにターミナル集約を目標に掲げた。また、滑走路の延長、増設により24時間着陸できるように建設工事が進んでいる。日本の人口が減少していく中で、空港利用者を増やすためにアジアと北米間の乗り継ぎ用ハブ空港としての発展を期待したい。

参考文献

4 新東京国際空港の建設(国土交通省より)

アジア地域の主要空港分布図(国土交通省より)

デルタ航空、成田撤退 日米路線は羽田に集約 - 日本経済新聞

なぜ九州の中心は熊本ではなく福岡になったのか

現在の日本人に九州の中心を尋ねるとほとんどの人が福岡と答えるであろう。

しかし、明治・大正時代に遡れば、九州の中心は熊本にあったといえるだろう。

九州版鉄道唱歌に「眠る間もなく熊本の街に着きたり我汽車は 九州一の大都会人口五万四千あり」と歌われた通り

陸軍の鎮台・師団も旧制高校も土木監督署などの行政機関も東京放送局(後のNHK)の九州支部もすべて熊本にあり、まさしく九州一の大都会であった。

そんな熊本がなぜ福岡に取って代わられたのか考えたので書きたいと思う。

明治期の中心「熊本」

戊辰戦争が終わり新政府による政治が始まる中、富国強兵政策に基づいて軍が作られることになった。薩長土肥の元藩兵を中心とするか、全く新しい新政府軍を作るかで割れたが、結局は新政府軍を編成することになった。

このとき、職を失った藩兵・士族たちの反乱をおそれ、各地域に一つ鎮台が置かれることになった。

小倉に本部を置くとされたが、大村益次郎が薩摩士族の反乱を恐れていたため、とりあえず熊本に設置することとなった。

これを機に、政府系の施設が続々と熊本に設置されるようになる。

このようにして熊本が九州の中心となったのである。

 

ではなぜ九州の中心が福岡に動いていったのか。

大きく2つの要因があると私は考えている。

日本の大陸進出

明治初期には韓国との交易は日本国内の交易と同等と扱ってきたが、貿易額が増え、英米諸国も韓国との交易を望む情勢になってきた。そのため、対韓国貿易も外国貿易と同じ扱いをすることになり、特別貿易港として下関、厳原そして博多の3港が開港されることになった。

このときから大陸との貿易は福岡がメインとなっており、それに伴って福岡に貿易経済都市としての側面が出てきた。

その後、韓国併合の機運が高まり、釜山への玄関口として行政機関の移転も始まり、例えば、土木監督署(現在の地方整備局)は明治31年の法改正を機に熊本から福岡へ移動した。

また、熊本には近辺に港に適した土地がなく、第二次産業の誘致が進まなかった。明治維新を機に事実上の首都となった東京からのアクセスも福岡に劣っていたため、経済の中心が福岡に移っていったのは自然な流れだと考えることもできる。

帝国大学の設立

明治19年帝国大学令が公布され、福岡、熊本、長崎の3都市で誘致合戦が始まった。

その後の帝国議会にて、旧制高校の卒業者が増え、特に医科大学が不足しているという話し合いになり、医科大学を設置するのが妥当という結論にいたる。

大学設立の機運が高くなかった熊本に比べ、福岡は予算や土地の寄付の宣言や治安の改善といったことを実施していき、ついには文部大臣の視察により福岡が妥当と判断され、明治36年、福岡に京都帝国大学福岡医科大学として設立される。

その後、古河財閥の寄付により福岡工科大学が設立され、福岡工科大学と合併し総合大学となり、九州帝国大学が設立された。

これにより、旧制第五高校があった熊本から福岡へ学術の中心が移ったと言えよう。

まとめ

このようにして経済・行政・学術の中心が福岡へ移転することとなり、九州の中心は福岡と第二の都市は熊本になったのであろう。

支店経済都市・アジアの玄関口として発展していく福岡、半導体工場の操業が始まり熊本港も建設され製造業の伸びが期待される熊本、双方の発展を期待している。

注釈・ソース

門司税関100年記念誌 第一章(PDF)

https://www.customs.go.jp/moji/moji_history/moji_100th_anniv/moji100nen_File/01_1.pdf

国土交通省九州地方整備局 熊本港について

https://www.pa.qsr.mlit.go.jp/kumamoto/Kowanshokai/kumamoto/index.html

九州大学百年史 第一巻(PDF)

https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/1801084/chapter_1-2.pdf

 

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最終変更日:2024/5/26

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ブログ開設

ブログ開設したので、初投稿としてブログ開設の経緯・目的、掲載内容の方向性を先に記しておく。

ブログ開設の経緯・目的

Twitterが某起業家に買収され改悪続きで他のSNSへの引っ越しも騒がれ、特に内容のないまとめブログが林立した現在、インターネット黎明期から存在する個人ブログというもののありがたみを再確認することが増えた。そのため、個人が情報を発信するツールの一つとしてブログを開設するに至った。

また、思考の言語化による整理も目的の一つとしている。

掲載内容の方向性

「ない。」

の一言で片付けてしまえるほど統一感も方向性もないが、私の興味の方向性だけでも書いておく。

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以上のものが多くなると思われるが、関連性がまったくない記事に個人の意見が多分に含まれたものが掲載されるので、ソースはなるべく示すが話半分に見てもらいたい。